「今年は、自分にとって勝負の年です。
出場できる試合も前半戦だけの限られた試合ですから、シードを復活させるために、貪欲に1円でも多く稼いでいかなければいけない。
守りの姿勢ではなく、常に前へ前へと進んでいく姿勢が大切だと思っています。
そういった意味でもファイナルQTを経験できたことは、非常に有意義なことでした」
多くのプロが、ファイナルQTは二度と経験したくないと言います。
息の詰る極度の緊張の中で、翌年の自分自身の生活をかけた戦いこそがファイナルQT。
1打にかける重みの大きさ。小さなミスがまさに命取りとなる状況が、多くのプロに二度と経験したくないと語らせる所以です。
だが、桑原プロはその経験こそが、有意義だったと語る理由はどこにあるのでしょうか。
「これまで、シードを持っていたときは、出場した試合で例え予選落ちしても、シーズンを通した中でシードを取れればいいという甘えがあったし、また翌週頑張ればいいやという、いわば敗者復活みたいな気持ちでプレーしていたんだなと、どん底まで落ちたことでやっと気付かされたんです。
ファイナルQTでの戦いは、ミスはできないし、その中でスコアを伸ばしていく必要もある。
他人との戦いの前に自分との戦いであるし、精神的な強さが求められる。
本当の意味でのゴルフの厳しさをファイナルQTで経験できたことは、今シーズンを戦っていくうえで、本当に有意義だったと思っているんです。
1つでも上へという姿勢で、決して諦めることなくゴルフに取り組んでいく。
それこそが、自分に課せられた今シーズンの課題だと思っています」
試合数も減少する中で、出場できる試合も限られている。
だからといって悲観的になるのではなく、自分の置かれている状況を冷静に分析し、やらなければいけない目標をしっかりと掲げ、その達成に邁進していく。
まさに、桑原プロの境地は、純粋にゴルフに没頭していくことと私の目には映りました。
また、桑原プロは、今シーズンの戦い方について、こうも付け加えていた。
「今の自分に求められているのは、10年前のゴルフをし続けていくことではなく、これからの10年後を見据えたゴルフをしてくことなんじゃないかなと思うんです。
若い時にできていたこともできなくなっているし、イケイケでやってきたゴルフを一度捨てて、今の自分を見つめ直していく。
つまり、これからの10年に向けた進化をしていくことが、求められているシーズンなんだと思うんです」
進化する気持ちを止めた途端に技術、モチベーションは衰退していくと言います。
今まで気が付かなかったことに、どん底を経験することで気付かされることもある。
桑原プロにとっての今シーズンは、本当の意味でゴルフを見つめ直していく新たなスタートといえるのではないでしょうか。
そんな桑原プロは、ツアー開幕前のPGAの協力競技・岐阜オープンで見事優勝。
今シーズンへ向けて、幸先のいいスタートを切りました。
「優勝できたことは、純粋に嬉しいことですが、あくまでもオフの調整が上手くできたことの目安としてしか考えていません。
それよりも、2日間の競技の中で、まだまだ直していかなければいけないことの方が目立ったので、その点を修正しなければツアーでは戦えないと思っています」
と、浮かれる素振りは全くありません。
プロというこれから先の人生の中で、自分のゴルフ人生を大きく左右したのは、この年だった。
あの挫折があったからこそ、今の自分があると何十年後かに笑って振り返るような年にしていきたいはず。
桑原プロにとっての本当の戦いの年なんですね。
そんな桑原プロも、今シーズンからドライバーをチェンジ。
使用クラブは『MP CRAFT プロトタイプ』です。
「僕はフェードヒッターなので、スピンが多くかかり過ぎるモデルは、ボールが吹けてしまい使えず、ロースピンタイプのモデルが好きなんです。
また、ヘッドが大きくなるとスピン量も多くなってしまうので、頑なに小さいヘッドを使ってきたんですが、このドライバーは、自分でイメージするフェードが本当に打ちやすいし、重く潜っていくようなボールが打てたので、すぐにチェンジできたんです。
飛距離も伸びているし、このドライバーで思いっきり暴れたいですね」
と感想を述べてくれていた。
4回にわたって、お届けした男子開幕リポート。
まだまだご紹介できなかったミズノ契約プロもたくさんいます。
今後このブログでも取り上げるべく、どんどん取材を繰り返していきます。
今年も熱い声援をお願い致します。
|