

清水俊充フィッターと並びミズノで「マスターフィッター」と称される薮本茂治は、専修大学のゴルフ部出身。学生時代はアマチュアとして「日本オープン」に出場したことがあるほどのゴルフの腕前を誇ります。1983年のマスターズではミズノの契約プロスタッフであった中島常幸プロのキャディを経験。マスターズでキャディを務めた日本人は、なんと薮本フィッターが第一号なのだそうです。
そしてミズノのフィッティング事業の立ち上げを、準備期間も含めて誰よりも早く携わり尽力してきたのも、この薮本フィッター。「当時ゴルフの腕前にはそれなりの自信がありましたから、会社からフィッターという仕事を任されたときも、自信はありましたね」。そんな薮本フィッターが、ミズノのフィッティングに対する考え方やミズノならではのメリットなど、興味深いお話を語ってくれました。

他社では機械の計測だけでクラブをフィッティングされているところもありますが、ゴルフというスポーツは自然を相手にするスポーツですので、アナログ的な部分といいますか、人間の目というものが当然必要になってきます。
ミズノのフィッティングはもちろん機械も使いますが、専門知識を持ったフィッターが、人の目からのアドバイスをする…というのが売りであり大きな特長ではないでしょうか。
機械の数値だけですべてが決まれば私たちもすごく楽ですけれども(笑)、悪い数値を良くするために一体どのような
クラブが適しているのか、お客様の嗜好を踏まえてそれを判断するのは、やはり人の感覚に頼るほかありません。
今後どんなに技術が進化しても、機械だけで絶対にフィッティングはできないだろうと、私は思っています。

そうです。
あとフィッティングをしてみて、どうしてもお店にないスペックのクラブが必要になる場合もあるわけです。
その時ミズノにはミズノテクニクスというゴルフクラブ製造の国内自社工場がありますので、仮に既製品が合わなくても、お客様のスイングにマッチした最適スペックのクラブをつくることができます。
これは大きな強みですよ。他社ではフィッティングができてもクラブがつくれないこともありますから。お客様の意見がそのままクラブというカタチになって帰ってくる…ミズノ以外ではなかなかできないでしょうね、そこまでの対応は。

いや、むしろ逆ですね。こういう球が打ちたいとか、こういうゴルフがしたいとか、いろんな意見をいっていただいた方がフィッティングは確実にしやすいです。
ただ、ここ大阪南港のミズノクリスタに来られるお客様って、
屋内でフィッティングするせいか、ものすごく緊張される方が多くて。
緊張し過ぎて、いくらスイングしてもなかなかボールに当たらない、
というお客様も実際いらっしゃいました(笑)。
「緊張しないで普段どおりに自由にやってくださいね」と声はお掛けするんですけど…本当に軽い気持ちでご来場いただいて、遠慮なく私たちに意見を伝えてほしいです。

まあ、お客様の要望ばかりを聞いていてもいいクラブ選びはできないと思いますし、私たちフィッターが「これがいい」と無理にクラブを押しつけてもダメですし。
お互いに会話のキャッチボールをしながら、お互いが納得して選んだ1本が理想のクラブといえるのでしょうね。
ただ、フィッティングに関してひとつだけご理解いただきたいことがあるのですが、お客様ってフィッティングさえすれば100%自分の狙いどおりの球が打てるだろうと思われがちなんです。
しかし、さすがにそれは無理ですよね。ですからミズノでは、いままで10球のうち5球くらいミスショットしていたものが2〜3球になれば、それはフィッティングとして正解だったと考えています。
いわばフィッティングとはショットを完璧にするものではなく、お客様の抱える問題を少しでも解消して、これからの楽しいゴルフライフを手助けするものだと思っていただければ。

SWING DNAを分かりやすくいえば、その人のスイングの特性、個性といいますか。スイング中にはヘッドスピードに加えて4つのしなり要素があり、
それらを数値化してミズノではクラブ選びの指針にしているんです。
もちろん、キャリアを積んでゴルフが上達すればヘッドスピードも速くなったり、しなりの数値が変わっていくこともありますが、本人が備えたSWING DNAの基本的な特性は、ほとんど変わることはありません。
そのSWING DNAを先ほどもいいましたが、機械の数値だけでなく人の感覚で捉えて、最良の1本をセレクトすること。
それがミズノのフィッティングのやり方です。
全国でフィッティングのできる場所、ゴルフの上達をサポートできる場所をもっともっと広げていくことですかね。私1人で頑張ったところで、個人でできることなんて、たかがしれてます。
ですから優秀なフィッターをより多く育成して、より多くの施設をつくって。もっと身近にフィッティングができる環境をすべてのゴルファーに提供していければ、と思います。

スケジュールが合う限りはOKです。
この前もたまたま私が担当したお客様に「まさか薮本さんにフィッティングしていただけるとは思わなかった」とすごく喜んでいただいて。そういわれると本当にこちらも嬉しいですよ。
とにかくゴルフ初心者の方でも恥ずかしがらずに、ぜひ一度フィッティングを体験してください。フィッティングはゴルフ上達のいちばんの近道。
すべてが自分にぴったり合うスペックのものは最初から見つからないかもしれませんが、その人に合うクラブの重さや、シャフトの硬さが必ずありますから。
そういったクラブで練習を続ければ、ゴルフは間違いなくうまくなるはずです。